1070、千駄木辺り

根津神社へ行った序に、千駄木辺りを歩く。不忍通りはかなりの人出で、根津駅と千駄木駅の間はどの店も人だかりがするようで、つい敬遠したくなる程だ。



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私たちは根津で地下鉄を下りると、先ずは根津教会を目指した。その近くに蛸飯を売る小さな店がある。米屋が営む仕出し弁当屋でたしかごはん亭、ここの蛸飯と赤飯の握り飯を買って、かつて上野動物園で食べた記憶がある。簡易なお昼をと考えるときは便利な店なのだ。この日も顔を出してみたが、蛸飯は完売だった。諦めてお昼はどこか別に考えることにした。親父さんとお客が店の前で、なんだか談笑をしていて、いかにも楽しげだった。
ところで根津というと、芋甚と根津のたい焼きが甘味の代表みたいに言われるけれど、我が家では一炉庵の夜雨最中と相場は決まっている。この日もいつものように神社を出ると、裏門坂を上がり日本医大の様子を眺めながらひたすらこの和菓子屋を目指すことになる。向丘という町で、その昔夏目漱石が住んだ猫の家も近くのはずだ。例の吾輩もこの一炉庵に遊びに来たという、千駄木辺りはそんな町でもあるのだ。



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一炉庵で予定通り夜雨最中を求める。明治36年の創業当時から造られていたという最中はこの店の商標である瓢形をした最中で、香ばしい最中の皮が味わい深い一品なのだ。店を出て、裏門坂を下り不忍通りに戻ると、間もなく銀行がある。昔は富士だったが、今はみずほと看板が変わっている。その前に道を隔てて銭湯があったが、いつの間にかなくなっている。銭湯の周りには小さな飲み屋が並んでいたものだが、どうなっているのやら高い建物が建ち背後は変わらない。銀行の並びにあった鳥安がビルの一階に小さな店舗を出している。この辺り昔は間口の小さな店が軒を連ねていたものだが、ほとんどが建て替わった感じで面影はない。道の向こうに佐伯徹が出していたダンドンというスナックがあったけれど、どうしたろうか、車のかげに見えた気がしたが定かには判らなかった。そうこうするうちに千駄木の駅が現れる。団子坂の十字路があり、右に渡れば谷中の寺町が広がる。左に坂を上れば、鷗外の観潮楼が建っている。



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私たちは信号を渡り動坂の方向に進む。そこに間もなく、中華料理の店が見えてくる。天外天で、今日のお昼はここのランチに決めていたのだ。注文も決まっている。担担麺だ。普通と中辛、大辛があるのだが、ごく普通の辛さに決めている。山椒が効いて、これで十分の辛さなのだ。
千駄木の動坂よりの階段からすぐ近くにこの天外天はあり、私たちは地下鉄で西日暮里に向かった。山手線に乗りもう一つのつつじの名所を梯子しようと考えたのだ。日暮里まで歩いたのではロスが大きい、と先を急いだという訳だ。いつもであればよみせ通りからやなか銀座などをぶらぶらして行くところだが、そうもしていられない。家にはタバサという愛犬がお留守番しているのだ。

この記事へのコメント

トム
2017年06月09日 19:24
はじめまして。トム、と申します。
34年ほど前に根津に住んでいました。今日は何だか、懐かしさのあまりに、ストリートビューで根津から千駄木を見て回りました。
若い頃に千駄木のダンドンで、生のグレープフルーツを絞ったサワーを飲んでました。
後、パンコキールも
もうダンドンはないのか、、、、と色々調べているうちに、このサイトにきました
❪佐伯徹が出していたダンドンというスナックがあったけれど、❫と

徹さんをご存知なのですか
よく飲みに行かれましたか?
もしかしたら会っていたかも知れませんね

私は横浜在住の50代後半のオバサンです
2019年08月28日 08:02
佐伯徹が出していたダンドンというスナック

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