1711、雪のない雪国紀行、銀山温泉の夜

銀山温泉に夜が来た。旅館の窓に明かりが灯り、ガス灯も輝きだす。
期待した大正ロマンの時である。


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古勢起屋別館は古い旅館であり、木造5階建てであった。通された部屋は4階で、二間続きの部屋だった。襖を開けるとガラス戸の向こうに向かいの宿の建物が見える。銀山川に沿った道を歩く人影は疎らで、観光客はそれぞれの宿に戻ったのかもしれない。ガス灯が薄くぼんやりと辺りを照らしている。残雪が僅かに橋に残り、いくつもの足跡がそれとわかる感じに見える。


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改めて部屋のつくりを見ると、窓際に縁側が造られてあり小さなイスとテーブルが置かれていた。その上に電燈が輝いている。この温泉宿はどこも同じ造のようで、川沿いの部屋の外はすどうしのガラスがはめこもれた窓で、申し合わせたように電燈が灯っている。五階建ては五階の窓がすべて明々と輝いているのだ。はめ込みのガラスは昔のもので、昭和の香りがするいびつなつくりだった。これでいつもの冬の様に雪深い景色だったら風情も格別のものだったに違いないと、窓から温泉街を眺めた。

この記事へのコメント

2020年03月04日 10:35
同じ様な外観が続く、風情のある街並みですね。
冬の夜の散歩が好きなので、是非歩いてみたいものです。

雪がなくて残念でしたね。
でも空気の乾いた雪のない景色も珍しいかもしれないですね。

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